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いつもそばにいる美味しさでありたい 新ボンカレー

商品の素顔

  商品名ボンカレーゴールド
  カテゴリーレトルトカレー
  製造者大塚食品株式会社
  原材料(ボンカレーゴールド中辛)
野菜(たまねぎ・じゃがいも、にんじん)、牛肉、小麦粉、乳製品(バターオイル・全粉乳・バター)、フルーツチャツネ、砂糖、ブイヨン(ポーク・チキン)、食塩、食用油脂、カレー粉、トマトペースト、ナシピューレ、香辛料、酵母エキス、レーズン、還元水飴、たんぱく酵素分解物、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工デンプン)、カラメル色素、パプリカ色素、香料、酸味料、(原材料の一部に大豆、バナナ、りんごを含む)
  価格160円

1 お湯で温めるだけで食べられ誰も失敗しないカレーを作りたい(1964年)
 1964(昭和39)年、関西でカレー粉や即席固形カレーを製造販売していた会社を、大塚グループが引き継いだのが大塚食品の始まりです。
 当時は「カレー」といえば洋食の代表で、ごちそうメニューでした。本格手作りカレーのカレー粉や缶詰での販売が主流で、カレー専門メーカー間の競争が激しかったのです。大塚食品は「他社と同じものを作っても勝ち目はない」「何か違ったものを作りたい」と考えました。
 そんな時、米国のパッケージ専門誌『モダン・パッケージ』に掲載されている「US Army Natick Lab」の記事で、缶詰に代わる軍用の携帯食としてソーセージを真空パックにしたものが紹介されていたのが目に留まりました。幸いグループ会社が持っていた点滴液の殺菌技術があり、それを応用することで「一人前で、お湯で温めるだけで食べられる、誰も失敗しないカレー」というコンセプトを持つ、現在のレトルト食品の原型ともなるボンカレーの開発がスタートしました。

2 世界初のレトルト殺菌技術を独自開発。しかし…(1968年)
 今や当たり前となっているレトルト殺菌技術ですが、新技術完成までには長い道のりがありました。「一人前で、お湯で温めるだけで食べられる、誰も失敗しないカレー」を完成させるために、「常温で長期保存が可能であること」「保存料を使わないこと」の2つを絶対条件に、レトルト食品の開発を始めました。
 当時はレトルト食品が存在しない時代です。パウチにする包材もなければレトルト釜もなく、ゼロから自分たちで作るしかありません。
 自作のレトルト釜にカレーが入ったパウチを入れ殺菌のための高温処理をすると、中身が膨らみ破裂してしまいました。それを防ぐために圧力をかけるのですが、この温度と圧力の兼ね合いが大変難しく試行錯誤の繰り返しでした。
 パウチの耐熱性と強度、中身の耐熱性と殺菌条件などのテストを繰り返し行い、商品としての可能性を次第に高めていきました。
 こうして1968(昭和43)年2月12日、世界初の市販用レトルトカレー「ボンカレー」を、阪神地区限定で販売しました。当時のボンカレーは、高密度ポリエチレン/ポリエステルの2層構造の半透明パウチであったために、光と酸素によって風味が失われてしまい、賞味期限は冬場で3ヶ月、夏場で2ヶ月が限界でした。その上、さまざまなトラブルが発生しました。

3 業界初の3層構造アルミパウチを開発して全国発売(1969年)
 シールが甘い、振動などの衝撃にとても弱いなど、世界初の試みであったが故に「半透明パウチ」にはさまざまな問題が発生しました。商品の輸送中に破損するケースもありました。
 そこで包材メーカーと協力し、ポリエチレン/アルミ/ポリエステルの3層構造のパウチを採用したのです。その結果、業界で初めて光と酸素を遮断するアルミ箔を用いた「アルミパウチ」の開発に成功しました。
 「アルミパウチ」によって長期保存が可能になり、賞味期限も2年間に伸ばすことができました。
 流通過程での破損も解決でき、大量陳列により消費者にアピールすることもできるようになりました。1969年5月に「ボンカレー」が全国発売されました。
 今では当たり前のように言われている安心・安全へのこだわりですが、大塚食品ではこのときからずっとこだわり続けているのです。

4 『箱ごとレンジでチンできる』超簡便な新ボンカレー(2009年)
 世界初の市販用レトルト食品「ボンカレー」の発売から長い月日が流れ、競合他社の商品も増え、レトルト食品は大きなマーケットに成長しました。しかしこの半世紀近く、大きな技術変化や技術革新はほとんどありませんでした。多くのカレーメーカーはメニュー開発に熱心で、ブランドの多様化に狂奔していました。
 この間、大塚食品はレトルト技術の停滞を打破すべく、さまざまな取り組みに挑戦してきました。ご飯とカレーが一緒に電子レンジで温められる「あ!あれ食べよ」もその一つです。
 そして「箱ごと電子レンジで調理できる」新レトルトカレー「ボンカレーネオ」が誕生。2009年2月に新発売されました。「ボンカレーネオ」の発売に引き続き、2013年にそれまで湯煎タイプだった「ボンカレーゴールド」を「箱ごと電子レンジで調理できる」タイプに改良しました。
 大塚食品は「共働き世帯の増加による家事の短縮」や「ほぼ100%に近い電子レンジの普及率」といった生活者の背景の中で、火や熱湯を使って時間をかけて「湯せんする」という調理方法に疑問を持っていました。また、近年停滞気味の市場を打破できる技術革新が必要だとも考えていました。レトルト食品のパイオニアとしての使命感からです。このことが「箱ごとレンジできる」レトルト食品の開発の背景にあったのです。レトルト食品を包装技術から見直すことが、メニュー開発とは違った消費者への新しい価値提供になると考えたのです。
 従来のレトルト食品は、レンジで温めたくても包材(パウチ)に使われているアルミ箔によってマイクロ波がはねかえされ温まりません。そこで、材質をマイクロ波で中身が温められる材質へ変更しました。ところが、今度はパウチが膨らんでしまう問題が発生しました。
 最終的には、加熱とともに自動的に蒸気が抜ける機能をパウチに付与することで解決しました。 新ボンカレーは、お湯を沸かして湯せんするのではなく、フタを開けて箱ごとレンジに入れ、たった2分(出力500Wの場合)で出来るという超簡便な食品です。

5 レンジで美味しく調理する新ボンカレー
 新ボンカレーのレンジ調理化の革新性は、簡便性を追求しただけではありません。レンジで調理することで、湯せん調理より美味しく出来上がることを実現しました。
 電子レンジで加熱し、自動的に蒸気が抜けることで、レトルト臭(レトルト食品特有の肉や油脂由来のこもったような臭い)を軽減し、スパイスの風味を引き出すことに成功しました。
 具材とソースを湯せんで外側から温めるより、短時間でムラ(温度差)がなく温まります。湯煎で起こりがちな、ジャガイモなど大きな固形物が温まっていないという問題もなく、アツアツのカレーが楽しめます。
 さらに、湯せんのために火を使うことの無い安全性や、調理時に排出される二酸化炭素の削減といった利点があります。
 レンジ調理できるレトルト食品の認知がまだ少ないせいか、かなり驚きを持って受け入れられています。

6 「レトルト食品は電子レンジで調理する」が当たり前の時代を作りたい
 大塚食品は「簡単・美味しい・安全」の三拍子揃ったのが、新時代のレトルト食品だと考えています。この新時代のレトルト食品の利点を理解してもらい、実際の食卓での浸透を目指し、『レトルト食品はレンジで』が当たり前の習慣になるように広めていきたいと考えています。そのためにも、今後の大塚食品のレトルト食品は全てレンジ調理できる商品にする必要があると考えています。

7 ボンカレーの元祖は沖縄にて健在
 元祖ボンカレー(松山容子さんパッケージ)は、数年前までは全国で販売していました。全国では「ボンカレーゴールド」の味が好まれている一方、沖縄では松山容子さんの「ボンカレー」の味の方が特に好まれていました。そのため、松山容子さんの元祖「ボンカレー」の全国販売をやめた時、沖縄限定として販売を継続することにしました。沖縄県では初めて入ってきたレトルトカレーが「ボンカレー」であり、現在でもレトルトカレーの代名詞となっているそうです。
 「味に関しては、元祖の味を守り続けることを第一に考えています。当時と変わらないレシピで作り続けています。」(大塚食品さんからの言葉)

(本稿は大塚食品株式会社への取材といただいた資料にもとづき編集・制作したものです)

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